【その3】パトン良いとこ一度はおいで

〜岡田くんこだわりの朝食〜

 

 アイマスクをしていたおかげで快眠!だったのだが、岡田くんが隣でゴソゴソ支度をしだしたのにつられて眠いまま起床。

 部屋に置いてあったネスレのコーヒーを作って岡田くんと飲むも、何も味がしない、ただの黒いお湯だった。

 黒いお湯に不満げな元コンビニ店員の岡田くんは現地のセブンイレブンで朝食を買いたいとのことでそれならばと自分も身支度を始めた。

 一緒に行くかなぁとの親切心で別の部屋で寝ている洋輔と迅を起こそうと試みるが全く起きる気配が無い、しかたなく岡田くんと2人でセブンイレブンへ。

 日本の内装とさして変わらないセブンイレブンタイプーケット空港前店で朝ごはんを各々選び始める。何を食べようかなぁと考えていたが、岡田くんが目を輝かせながら見ていたショーケースのパンが美味しそうだったのでつられて購入。先ほどの黒いお湯に対してのリベンジを誓いつつ、レジのお姉さんに拙い英語でアイスラテをくださいと伝える。

 タイのセブンイレブンは日本のシステムと少し違い、コーヒーはレジの店員さんが入れてくれる。それを待っている間、レジのふくよかな体型のお姉さんはずっと岡田くんの方を見ながらあからさまに0円ではないスマイルでニコニコしていた。それに気を取られたのかアイスラテを2割くらい床にぶちまける岡田くん。

 ぶちまけたアイスラテをほったらかしにしたままセブンを後にし、ホテルの前でパンをかじる。上にかかってるテカテカのソースが甘ったるくて食えたもんじゃない!と喚いているのを尻目に全く同じソースがかかったパンを美味しそうにかじる岡田くん。どうやらタイの食べ物は自分には合わないらしい。

 ホテルへ戻るとさすがに起きていた洋輔と迅、起こすまでもなく起きていた勇は一人でカップ麺を食べていた。

 

〜宿泊先のパトンヒルズ5へ〜

 

 剛たちとの合流地が決まったので、そこへ向かう。合流したのち、二日目の宿へ連れて行ってくれるバスをハマスケが手配してくれている、というか今回のタイ旅行はハマスケが大体のことを手配してくれた。頭があがらない。

 スーツケースをいかついおっちゃんに預け、みんなで乗り込む。プーケットの街並みはザ・アジアといった感じでこれを読んでいる人たちが想像する感じそのまんまである。

 海側に近づいていく程にみんなのテンションがうなぎのぼりに上がっていく、とてつもない険しい坂道を登ってるなぁと思ったらでかい家に着いた。まさかとは思ったがここが今日から泊まる宿らしい。

 オカマみたいなおっさん管理人(自称ユミコ)からの説明を受けたのち皆一斉にプールに飛び込む。

 自分の中の勝手なイメージとしてタイは工事済みのオカマがわんさかそこら中にいるイメージがあったので、もしかしたらこのオッサンもオカマなんじゃないかという浅はかな予想を頭の片隅でしつつ、プールで遊んでいた。

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 部屋は5部屋あってそのうち、シングルベッド部屋が2つキングベッド部屋が3つあった。

公正なるあみだくじによって部屋決めをした結果、岡田くんとキングベッドで残りの4日間床を共にするハメになった。

 

〜13時ごろ、パトンにて〜

 

 ホテルを楽しむのもそこそこに、本滞在中の足となるバイクをパトンに借りに行こうということで街に繰り出した一行だったが、まあ暑いこと暑いこと、これが常夏の国だ!と言わんばかりの猛暑日顔負けの暑さである。

 あまりの暑さにさすがにバテてきたのでご飯を食べようということになり、たまたま目に入ったレストランに入った一行。

 壁がなく、屋根だけのレストランだったが日射しを凌げるだけでもだいぶ涼しい。あとこれは個人的にビックリしたことだが、なんとタイのレストランお水が出てこない、「水を飲みたいなら勝手にその辺で買って持ってこい!」というガチのセルフサービス。流石にそれは困るということで自分はコーラとガーリックビーフライスを注文(そこそこのお味)。

 満腹になったお腹をさすりながらまた一行はレンタルバイク屋さんを探し始めた我々、何とか納得いくバイク屋さんを見つけたが、レンタルする為にはパスポートを全員分(8人)預けろとのこと、それは流石に気が引けるとハマスケが交渉してくれた結果、2人分預けるということで手打ちとなった。ありがとうほんとに。

 タイでは、大体の旅行客がこういったレンタルバイク屋さんでバイクを借り、そのバイクを使って観光する。と言ったことがわりと主流のようである。もちろん無免許である

 日本でよく見る一般的な原付のように見えるが、タイの原付はほとんどが100cc以上であり、中型免許で乗れるバイクとなんら変わらないパワーをもつ暴れ馬ばかりである。

 しかも我々、これを書いている宇津、そして勇以外は原付に乗った経験がなく、人生初ツーリングとのこと。

 これがのちに一人の男に悲劇をもたらすことになるのだが、それはまた2日後の話である。

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〜パトンビーチの物売りおじさん〜

 

 早速借りたバイクでタイの交通量の多い道を走る二部軽音御一行、慣れないハンドル捌きでトロトロと進んでいく。

 なんとか最初の目的地であるパトンビーチに到着、しかしレンのメットホルダー(座席の下のパカッと開くところ)が開かないうえに自分のバイクのハンドルバーが歪んでいる気がする。これはまた後でバイク屋に言いに行くとしてとりあえずパトンビーチを楽しむことに。f:id:utsus0314:20200312220336j:image

 砂浜でまどろんでいると、象さんのよくわからん木工品を押し売りされた。その木工品をレンが買おうともせずにふざけつつあしらっていると、普通にハンドサインで死ねと言われていた。そりゃそーだ。

 前述したバイクの不調をなんとかして貰ったのち、各々欲しいものを買いに別行動したのちホテルへ戻る。

 

〜19時ごろホテルにて〜

 汗を流す為にプールで泳ぎ、プールサイドでタバコを吸いながらくつろいでいると

 ツインテールにおめかししたユミコ(注1)が登場、よくよく聞いてみるとユミコは下半身工事済みのオカマであり、下半身は工事するのに容姿は全く女側に寄せない近年タイでは希有なストロングスタイルのオカマ(おっさん)とのこと、しかもさっきまで女装していたらしい。もしかしてオカマなんじゃね(笑)という浅はかな予想が当たっていたわけである。

 バングラストリートという世界中のパリピが集まるストリートを紹介される。そんなストリートを一目見てみたいという我々はユミコの巧みな口車に乗せられバングラストリートへ向かうこととなる。

 そしてこれは後述するが、この時あたりからユミコのハマスケに対するボディタッチやアプローチが激しくなってくる。 

注1):ホテルの管理人、チン無し女おじさん

 

〜集まれパリピバングラストリート〜

 

 バングラストリートに着いた我々、行き交う外国人やいかにもオカマみたいな見た目の女おじさんを見てテンションが上がる一行。とりあえずバングラストリートを見て回ろうということでDQNカーの車内みたいなズンズンドムドム音が鳴り響くストリートをかき分けながら練り歩く

 ひとしきり歩いたところで、田舎っぺの我々はズンズンドムドム音に疲れ、バングラストリートから早々に退散するのであった。

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〜パトンヒルズ5に帰還〜

 パリピたちのとんでもない気迫に気圧され、ものの一瞬でホテルへ帰ってきた我々はなんでもない会話をしつつユミコが手配してくれた缶ビールを呑み、その日の夜は更けていった。