【その7】パトン良いとこ一度はおいで
〜5日目の昼〜
昨日は一日中遊び回った為(というか昨晩遅くまでビリヤードをしてい為)12時過ぎに起床、勇と岡田くんとようすけはパトンに買い物に行ったらしい。残った5人は同じような時間に起きた後、プールサイドでくつろぐ。
買い物&昼飯終わりの3人が帰宅、つよしが明日は日本に帰る日なので早めにバイクを返しておこうと提案する。また、お土産と今日の晩ご飯を買う為にショッピングモールへ行こうという事になった。
起きたばかりなので腰の重い一行だったが、剛がこけてバイクに傷をつけてしまっていた事もあり、返す際になにかと不安な事が多かったので早々に返しに行く事になった。
一昨日、昨日の経験上パトンビーチには警察による検問が多数敷かれている為、まずは3人で編成された偵察部隊がいい感じに迂回できる道を探してから残りの実動部隊もその道を追ってくることに。(というか実動部隊組は洗濯物がまだ終わってなかっただけ)
自分、ハマスケ、レンの3人で編成された偵察部隊が出発、一度捕まった交差点の手前で曲がり、市場にバイクを止めた。バイクを止めたあと、徒歩でバイク屋まで歩き、検問が敷かれていないか確認した。全然検問してなかったのでLINEグループにて報告する。
(不参加のあきとが勘違いした様子、ゴメン)
なんとか全員が着いたのち、バイクを返す。しかし、早速バイク屋の主人にレンのバイクが引っかかる(以下意訳)
「ガソリン満タン入れて返せや!40バーツ!」
そんなに痛くない出費だがプーケットでのガソリンの相場は1ビン30バーツ程度(ガソリンを入れた瓶が売っていてそれを何本か買って入れる)なので普通に損。
ハマスケ、自分のバイクをそれを見越してヒタヒタになるまでガソリンを入れていたおかげで引っかかることなくスルー。また、剛以外のバイクはコケたり傷を付けていることもない為車体をジッと見られても特に何も言われる事がない。
偵察部隊のバイクを一通り見られ、返却が済んだところで洗濯部隊が到着、早速返却作業をせかせかと行うバイク屋のおっちゃん達。
剛のバイクを止める際に機転を利かせて傷が見えないように駐車するも傷がバレる。はて?と首を傾げながら主人は剛にこう尋ねる。
主人「この傷なんや?おまえコケたんけ?」
剛「ん?こんな傷知らんし、コケてないで」
見事にすっとぼけるつよし、首を傾げながら主人は店の中に入っていく。バイクを借りる際、レンタル前のバイクの状態を確認する為にパシャパシャ写真を撮っていたのでそれを確認しに行ったんだろう。
確信を得た表情をしながら主人がつよしとバイクのもとに戻ってきた。
「コケたな?とぼけても無駄やでワシ長いんやこの仕事」
図星である。とぼけるつよしだが主人はつよしの膝を指差してまた畳み掛ける。
「膝怪我しとるやないかい!コケたに決まっとるやろ!」
名探偵タイ人の名推理にしてやられた一行は推理フェーズから裁判フェーズに移行する。
「とりあえずあんたはコケたんやな、ほなこの傷を査定するで」
伝票みたいな紙をもってバイクの査定を始める主人とこれくらいの傷で多額の修理料金を取られるわけないだろうと鷹を括る一行。査定が終わるまでしばらく待つ。
「よしゃ!バイクのカウルとフロントフォーク、ハンドルバーの歪みを諸々直してこの値段や!」
と主人が提示してきた金額は11900バーツ(うろ覚え)、日本円にして大体35000円くらいである。なんとか安くしようと粘るハマスケとつよしに頭を抱えた主人はひとまず2人を椅子に座らせバイクの傷を事細かに説明していく。
「ええかアホンダラ、カウルの傷は新品に交換せなあかんし、フロントフォークの歪みを直すのにも手間がかかる。この値段は妥当なんや」
もし、日本で直す場合、大体10万くらいいきそうな傷だったがタイはバイク産業が栄えている為か物価が安いのかお手頃なプライス。しかしそれに負けじと粘るつよしとハマスケ、その気迫に押されたのか値下げを試みる主人。
「うーんせやなぁ、ほなら9000でどうや!」
まだまだ粘るつよしとハマスケ、最終的には7000バーツまで値下げさせたのだからビックリである。
なんとか7000バーツまで修理価格を引きずり下げ、キャッシングを駆使して支払いを済ませたつよしの顔がこちらである。
(辛そう)
バイクの返却を終え、お土産と晩ご飯を求め歩き出した一行。途中で夕焼けが綺麗そう、という理由でパトンビーチに寄る。
10mほどとなりで黒人たちが輪になって民族楽器で小気味の良い音学を奏でていた。その音楽に合わせてノリノリで踊り狂う白人オバちゃん、音楽も踊りも一通り終わると全員が他人のように散っていった。現地集合、現地解散。
(綺麗さが伝わらない写真)
パトンビーチで一通りまどろんだところで当初の目的であるショッピングモールへ歩き、到着。
パトンでもなかなかデカイショッピングモールらしく日本でも見慣れたブランドが店を構えており、日本のショッピングモールとあんまり変わらない。
さっそく各々今日の晩ご飯を選ぶ一行、つよしとハマスケはタイでアメリカを感じたいらしく手作りハンバーガーを作るらしい。岡田くんはお惣菜コーナーにかじりついている。タイ料理が比較的苦手の部類に入るレンと自分はタイからなるべく距離を置いたものを食べたいという事で作戦会議をしていた。
レンとの作戦会議の結果、勇たちは何を食べたいか聞いてみようという事で早速たずねる。
勇「マック食べよかなぁとおもてる」
2人の胃袋にどストライクである、しゅき。
というわけでハンバーガーを作る予定のハマスケとつよし、買い食いしている岡田以外の5人で現地のマクドナルドへ。タイのマックはタッチパネル的なもので注文したのち、レシートを持って精算、受け取るといったなんとも効率的なシステムである。値段は日本と大体一緒だがコーラやポテトがべらぼうにデカイ。
期間限定でやってる侍バーガーを注文したようすけが辛すぎてキレてたのを除けば特に味も変わらず普通のマックだった。
食事を済ませたのち、近くでやっているナイトマーケットへ行くことに。お昼には何もなかった場所に屋台がズラリと並んでいる。
そろそろお土産を買おうかなと思っていたのでフラフラと屋台を見て回っていると、タイパンツやTシャツが売っている屋台があったのと見て入る。すると店主のおばちゃんに
「Where are you from?」
と聞かれたので
「じゃぱん」
と言うとやや拙い日本語で喋り出した。
「おにさん達、ヤスイヨこれいっぱい買ってけ」
なんで命令口調なのかはわからないがとりあえず物色するおにさん達、気に入ったタイパンツがあったのでおばちゃんに値段を聞いてみる。
「ソレ150バーツね、もっと買って買ってけ」
タイの屋台では観光客に向けてやや高めの値段を設定しているとの事なので、値下げ交渉していく。
おにさん達「いや高い、100バーツでどや?」
おばちゃん「のんのん、これ安い安いヨ」
おにさん達「おばちゃん綺麗だし、安くして」
おばちゃん「2着買うなら、130バーツネ」
作戦会議を行う我々、ようすけは1着買うつもりらしいので、自分は2着買うことに
おにさん達「3着買うからまとめて360バーツ!どや?」
おばちゃん「私ボスに怒られるから375バーツまでしか下げれないヨ」
おにさん「ほならそれで買うわ」
ということで得したのかよくわかってないがとりあえず購入。おばちゃんの知り合いの店に案内されたり、そこでまた値下げ交渉をしつつナイトマーケットで買い物を済ませ、帰宅。
帰宅すると、ハマスケと剛が満足げな表情でプールにて汗を流していた。(夜になるとシャワーが出ないから)
手作りハンバーガーはどうだったのか聞いてみるとなかなかナイスなテイスト、タイでアメリカを感じれたらしい。
タイ旅行もいよいよ明日で最後なので、キッチンにて談笑したのち、荷造りをして眠った一行であった。