【その2】パトン良いとこ一度はおいで
〜出発当日〜
自分はそもそも寝つきが悪いタチなので、平日でさえ1、2時間は床に着いてから寝付けずゴロゴロするのだが、海外旅行前日ともなると不安や期待が高まりに高まり結局一睡も出来ないまま当日の朝を迎えた。
前日のうちに用意は全て済ませておいたので、忘れ物をしていないか最終確認したのち今にもはちきれそうなリュックとウエストポーチを持って豊津駅へ向かった。
剛とハマスケとレンと合流した直後、「何でマスクを付けていないんだ、意識が低すぎる、この旅行は遊びじゃないんだぞ」と罵詈雑言を浴びせられる。じゃあこの旅行は一体何なんだと思いつつマスクを着け、他のメンバーとも合流し、関西空港へ。
関西空港に着いたのち、腹ごしらえがまだ済んでいなかったので各々行きたいお店(マック、すき家)で朝ごはんを食べた。
ここからどうなるのかなぁと不安になりながら過ごしていたが、特に何事もなくチェックイン。
搭乗口前のWi-Fiが繋がるところで勇とようすけ(誰だったかうろ覚え)がスマホを弄っていたので何かと思っていたら、機内でそれぞれダウンロードした映画を見るらしい。それならばと自分も「バックトゥザ・フューチャー」の2と3をダウンロードした。
無事飛行機も上空で安定し、ヨシ!見るぞ!と見始めて10分もしないうちに前日の睡眠不足からか案の定爆睡。
2の序盤(マーティがガレージで自分の車を見ているシーン)で寝て、3の終盤(マーティが自身の車を走らせるシーン)で起きたのでタイムスリップを一回もしていないバックトゥザ・フューチャーを見た。タイムマシンでもない車しか見れてないじゃないか!ワイルドスピードじゃあるまいし!金返せ!
(ここまで特にタイの話をしていないのでさすがに焦ってきた。タイまで一気に時間を飛ばします。)
ゲートを抜けるとそこは常夏の国タイだった。何やら椅子の無いバスに乗せられた後、めちゃくちゃ雑なサーモグラフィーを撮られた。こんなの誰が引っかかるんだ馬鹿にしてるのか、と思いながら歩いて行ったら後方部でレンが止められていた。止められることもあるんだなぁと感心しながら通り過ぎたらすぐにレンがみんなの元へ追いついてきた。「帽子を取れ」と言われただけだった。ナンヤネン
なんやかんやで乗り換えの飛行機の手続きを済ませ、待ち時間でバーガーキングを食べることに、海外の規格外のサイズにびっくりしつつ席へ座ると、後ろから同じくサイズにびっくりしつつニコニコしながら迅が歩いてきた。
迅「コーラデカすぎィ!」
と言いながら席へ座った瞬間、迅のコーラがバランスを崩してドンムアン空港のキレイに掃除された床へブチまけられる。
迅「最悪や…」
ここまで約2秒である。
掃除のおばちゃんにめちゃくちゃ睨まれながら食事を済ませたのち、プーケットへ
手前:こぼした後の迅
奥:掃除のおばちゃん(ごめん)
〜プーケット初日の夜〜
特に何事もなく到着、空港近くに初日のホテルを取っているので、ジメジメした暑さの中ホテルへ歩いて向かう。
やっと到着したということもあって、大荷物だが軽い足取りの一行の前方で、スーパーハイテンションな岡田くんが喜びを爆発させている、いつもの5倍くらい声がデカかった。
汗をかきまくったので、ホテルに着くや否や全裸になる。いつもは真顔でまじまじと見られるだけだが、さすが微笑みの国、ややウケる。結局暑すぎて半数が半裸になりつつ、大富豪で部屋割りを決める。自分のルームメイトはウルトラスーパーハイテンション岡田くんだった。2日目の宿からも岡田くんと同じ部屋なので五日間岡田くんと同棲する事となった。
シャワーを浴びた後、コンビニに寄るついでに周りを散歩したいと勇と岡田が言ったのでとりあえずコンビニへ、ようすけとアイスを買ったがあまりにも味が普通すぎることに肝を抜かれつつ、ホテルの周りを歩き始めた。
〜夜中のわんわんパニック〜
プーケットでは大体そうなのかは知らないが、軒先に犬が鎖なしで飼われている。「タイの犬に噛まれると狂犬病でヤバい」みたいな漠然とした前情報だけ頭にあったのでビクビクしつつ歩いていく。
しばらくはタイの町を楽しみながら歩いていた川元勇のおさんぽジャパンチームだったが、5分ほど歩いていると前述した軒先の犬に吠えられた。それを皮切りに周りの犬たちが吠え始める。狂犬病(致死率約100%)という普通にコロナより怖い病気に脅えている我々はたまらず吠える犬を尻目に逃げ出した。
しかし、前方からまた別の犬がログイン、しかもめちゃくちゃ吠える。退路も往路も塞がれ、四面楚歌状態となった我々はすぐ左にあった駐車場からなんとか脱出出来ないかを試みたものの言うまでもなく無理だった。
意を決してめちゃくちゃ吠える犬の隣をすり抜けようと画策し、決行。しかし、案の定めちゃくちゃ吠えられたのでめちゃくちゃ逃げた。岡田くんに至ってはホテルのペラッペラの紙スリッパで全力疾走していた。
「「俺たち、今年22歳!」」
何とか通り抜けた後、笑顔で舌を出しながら近寄ってくるチワワにさえビビりつつホテルへ帰還。疲れた。
明日何時に起きるかを決めたのち、就寝。こうして1日目は終わったのである。
【その1】パトン良いとこ一度はおいで
〜出発前の話〜
そもそも何故タイに行こうなんて話になったのかというと、始まりは誰かが作った「卒業旅行」という何とも安直なネーミングのLINEグループからである。
当初はバリだのセブ島だの各々が各々のリゾート観を主張しまくり、常夏の島に行きたいという観点こそ合致しているものの場所こそ違うエンドレスリゾートプレゼン地獄であった。
しかし、去年の夏にヒューマンビーイング御一行とタイのバンコク、プーケットを満喫したハマスケが、タイのプーケットを激推しした結果、年中大貧民な我々には助かるお値段、という事もあり我々二部軽音御一行のタイ行きが決まったわけである。
〜チケットを取ろう!の話〜
そんなわけでまず海外旅行第1の関門「飛行機のチケット予約」を行う事となった。
我々メンバーにおいて、タイ旅行第一人者であり、有識者であるハマスケ指導のもと、香港航空(俗に言うLCC)で関空-プーケット間の往復チケット(約4万円)を入手したわけであるが、昨今日本で大ブームのコロナウィルスによって爆散。(向こうからのキャンセルなので払い戻し可能)
それはまぁしょうがないと続いてエアアジアにてチケットを購入(約1万円)した我々だったがそのチケットも見事に爆散。(同上)
あれよあれよとコロナウィルスの手のひらの上で転がされ、払い戻し金という名のついた5万円を2ヶ月後という近未来へ送っただけの我々であったが、最終的にタイライオンエアにてチケットが取れた為、無事タイへ行ける事となった。